薬剤師の訪問を支える

独自の”つなぐシステム”が挑戦した

訪問薬剤の環境改善

  • 非効率のムダ

  • 特定の誰かに偏るムラ

  • 労働負担のムリ

​何でもかんでも、薬剤師の仕事

 私は、ある企業での薬局経験が10年程度ありました。そこでは、薬剤師は○○先生と呼ばれ、判断を仰がれ、指示を行う環境でした。​薬局には薬剤師だけでない一般職の方も働いており、私よりも社会経験豊かな方々が沢山いるのに、なぜヒエラルキー(階級組織)のような状態になっているのか・・・。
 私は社会人としても未熟でしたので、いろいろ教えていただきたかったのですが、薬剤師の山内先生が決めてくださいと言われるようなことが多く、モヤモヤとした日々を過ごしていました。
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 そこで私は、一般職の方々と協力していく薬局の形を模索しました。それは、在宅医療の現場では特に力を発揮する仕組みになったのです

​つなぐシステムは、分析から導き出した36項目の薬局業務を、再構築と業務振り分けで組み立てられた分業からできている。

 在宅医療を行う薬局・薬剤師の訪問に必要な仕事を36項目に分解しました。
 それらを、コンプライアンスや向き不向きで薬剤師を含む”職能”へ割当を行うことで、薬剤師がとことん薬剤師がすべき業務に取り込み、反対に薬剤師が不得手なものは一般職の方が行っています。つなぐ薬局で在宅医療未経験の薬剤師が "瞬く間に訪問ができる" のは、こんなシステムと一般職の助けがあるからなんです。

​薬剤師は薬剤師しかできないことへ、一般職には薬局を支える仕事が沢山ある。

​ 実は薬局の仕事のなかで薬剤師が得意とする業務は、それほど多くありません。しかし、現在の薬局では薬剤師がほとんどの業務を行っています。世の中を見渡せば、これほどまでに薬剤師の職能を潰してしまう環境はおかしいと考えています。かつて病院内の薬剤師部がひたすら処方薬の調整をしていた時代はとうに終わり、病棟へ薬剤師が向かい、患者さんとのコミュニケーションや医師や看護師と治療方針を協業しています。
 薬剤師が如何に患者さんへの治療や療養に必要であるかが示されている時代に、薬剤師を "薬剤師がやるべきでない仕事" と "薬剤師でしかできない仕事" をいっしょうたにしてしまってるのは、システム化されていないからです。
 また、薬剤師がやるべきでない仕事は一般職の方のほうが得意であることが多く、一般職の方が重要な仕事を分担するので、成長ややりがいを感じながら働くことができます。
 薬剤師は薬剤師業務に集中することで、広く深く勉強をしながら仕事を楽しみ、一般職は薬剤師になくてはならないパートナーとしてスキルアップを続けていきます。
つなぐシステムの中では全てのスタッフがお互いを尊重して、"お互い様" "助け合い"の気持ちで働くことができています。

訪問薬剤管理指導の敷居を下げる

​②ムダ、ムラ、ムリを解消

つなぐシステムは、”高い質” で "継続" できる仕組みである

 在宅医療や薬剤師の訪問は、なぜ難しいと考えられているのでしょうか。
 まず、間違いなく薬局に来られた患者さんに対してと、患者さんのご自宅に伺うことでは薬剤師自身がいる環境が違います。​また、算定要件や考え方も薬剤師判断が必要なものや、介護保険制度などとなじみのないものも少なくありません。こういったところですでに”とっつきにくい”
 ですが、良く分析してみると前述のように、訪問薬剤管理指導を行うに当たっては36項目の作業に分解することができ、外来調剤になかった業務はほんのわずかです。しかも、それらは薬剤師としては難しくないもの、一般職ができること、機械化やソフトウェアなどで処理で来てしまうものでした。
 例えば、運転が心配という薬剤師さん。運転が得意な一般職のスタッフが患家まで同行します。
 例えば、方向音痴だという一般職さん。タブレットが患家までをナビしてくれます。
 積極的なICT化や機械化を行い属人的な(特定の人しかできない)仕事はとことん減らすことにしました。
 また、薬歴(薬のカルテ)はその場で記録ができるタブレットクラウド型を導入しています。訪問時に重たい紙薬歴を持参するなんてこともありません。特にこだわったのはUX(使いやすさ)です。いくら機能が豊富でも使いづらいのではいけません。少しの説明でも感覚的に使用できる機器を選んでいます。その結果に、つなぐ薬局では常勤薬剤師換算2.5人のところ非常勤薬剤師が5名(2018年2月時点)の体制です。これも、とことん敷居を下げた結果 実現している体制です。
 在宅医療は24時間365日の対応が求められます。サービス提供側は休日を設定できたとしても、病気に休日はありません。そんな中で "高い質" で "継続" していくためにシステム化する必要がありました。

ムダ・・・在宅医療の現場で必ず起こるのが、特定の "できる人" に業務が集中すること。いわゆる属人的と言われる状態です。
​ムラ
ムリ

​経営者が在宅医療に精通した薬局出身者と、病棟業務でチーム医療をけん引した病院出身者の2人の"薬剤師"で行われていることのメリット

 昨今、薬局業界は暗い話題が多いのは事実です。ですが、物事には移り変わりがあり諸行無常であることは当たり前です。この先に、明るい未来を進むには時代の流れを意識しなければなりません。良くも悪くも薬局業界が話題になるということは、業界が変わることが望まれているからにほかなりません。では、どのように変わることを望まれているのか?
 我々はその答えの一つに在宅医療という現場で積極的に薬剤師が介入する方法を見出しました​。